ねとらぼの企画記事に参加して、もっと評価されるべき今年のアニメについて語りました。

大のアニメ好きが選ぶ“もっと評価されるべき2024年アニメ”TOP20! 「変人のサラダボウル」「ハイスピード エトワール」を抑えた1位は?(1/4) | アニメ ねとらぼ
200以上もの新作アニメが生まれた2024年。今年は「葬送のフリーレン」や「薬屋のひとりごと」といった前年からの続きものや「【推しの子】」「響け!ユーフォニアム」などの人気シリーズの最新作に加え、「勇気爆発バーンブレイバーン」「負けヒロインが多すぎる!」「ダンダダン」といった新作も好評で1年を通じてアニメ界が盛り上…
ねとらぼ
こちらの記事にてアンケート投票に参加させていただきました。年末恒例・大ヒット作の影に隠れた本当に面白い作品を掘り起こす企画記事です。
私は以下の5作品に投票しました。
- 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd Season
- 治癒魔法の間違った使い方
- となりの妖怪さん
- 変人のサラダボウル
- 怪異と乙女と神隠し
以下、アンケートに記載した選評を掲載します。
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd Season

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd
「真の仲間ではない」と勇者パーティーを追放された英雄・レッドは、辺境の地で薬師として幸せな新生活を送っていた。かつての仲間であり生涯の愛を誓った恋人のリット、「勇者」の加護から解き放たれた妹のルーティ、そして大好きな人たちと、これからも穏やかな日々を過ごしていきたい――。そう願った矢先の出来事だった。「新しい勇者が現れました」世界を救うために立ち上がったのは、ヴァン・オブ・フランベルク。至高神デミスへの強い信仰心と正義感に溢れながらも、純粋であるがゆえの危うさを抱える少年だった。新たな勇者は先代魔王の残した飛空艇を手に入れるため、仲間と共にゾルタンを目指す。聖方教会の思惑も絡み、警戒を強めるレッドたち。その来訪は“祝福”となるのか、あるいは“災い”となるのか。愛する人たちを、愛おしい日々を守るために、再びレッドが動き出す!©ざっぽん・やすも/KADOKAWA/真の仲間2製作委員会
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一見していかにもルサンチマン充足ポルノのような追放モノらしいタイトル、かつバトルが多くあまりスローライフというわけではなかった1期の続きという前評判が視聴者を敬遠させていた印象がある。2期では人々が望むかどうかにかかわらず神に何らかの加護(能力)を授かるという世界で、与えられた神の加護を運命と解釈して従順に生きるか、人の幸福を求めて自ら選んで生きるか、という骨太なテーマが展開される。加護がもたらす衝動に従った生き方と理性で望んだ生き方の衝突のドラマや、かつて戦いや殺しに身を投じた人々が獲得した穏やかな日常スローライフのパートなどを通じたテーマの掘り下げは見ごたえがある。1期だけでは分からなかった真髄が描かれて評価が一変する”TVアニメ2期”の醍醐味的作品だと思う。
治癒魔法の間違った使い方

治癒魔法の間違った使い方
平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。気づくと、そこは異世界。3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる『勇者』として召喚された……はずが、勇者の適性を持っていたのはスズネとカズキのみ。ウサトは巻き込まれただけだった!しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性があることが判ると事態は一変。救命団団長を名乗るローズが現れ、ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。そこでウサトを待っていたのは、想像を超える地獄の訓練の日々だった――!©くろかた/MFブックス/「治癒魔法の間違った使い方」製作委員会
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異世界転移ものにありそうなハックで出し抜くようなタイトルでいて、その内容は勇者の召喚に巻き込まれた普通の少年が勇者としてではなく救命団員となり、戦場での負傷者を救うべく過酷な訓練を乗り越え成長していく……という実直な内容。あまり格好よく思われないであろう負傷者を抱えての離脱を、ラグビーのようなアクションで提示するアニメの映像表現に驚かされる。救命団の活動は命を救うためなら何でもすること、自己犠牲を許さず自分たちも死なないこと。それは殺戮や憎悪を武器とする敵に打ち勝つための最も優れた戦術でもある。田中敦子さんの名演とヒューマニズム溢れる作風が胸を打つ傑作。
となりの妖怪さん

となりの妖怪さん【プライム会員なら3話までお試し見放題】
山合いの風がよく吹く町、縁ヶ森町―。妖怪と人と神様が暮らすふしぎな日常の中で、それぞれの喜びや悩みを胸に日々を生きる、妖怪たちや人間たち。猫として20歳まで生きて、猫又に新生したぶちお。行方不明の父親を気にかけながらも、前向きに生きている人間のむつみ。代々この町を守っているカラス天狗のジロー。まったりほのぼのした田舎町の日常の中で起こる、ちょっとふしぎで優しい、繋がりの物語――。©noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会
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放送時間が深夜2時と遅かったことやソフト化されなかったことから注目度は決して高くなかった印象だが、美麗な作画や原作解釈の巧みさで高品位なアニメーションに仕上がっている。人と妖怪が共存する世界を舞台に、少しのオカルトやSF要素を交えた日常と温かなヒューマンドラマが描かれる。登場する妖怪や様々な不思議な出来事は血縁、しがらみ、死別、認知症や後遺症などのメタファーでもあり、異なる世界のドラマを通じて現実社会をいかに生きるかを問いかける。
変人のサラダボウル

変人のサラダボウル
貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。平坂 読×カントクコンビがこの時代に放つ、天下無双の群像喜劇、堂々アニメ化!©平坂読/小学館/「変人のサラダボウル」製作委員会
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ふざけた作風をアピールする宣伝と放送時間の遅さからあまり真剣に視聴されていなかった印象がある。当然ふざけたキャラクターばかりの作風ではあるのだが意外にも社会派で、変人たちを通じて提示される社会観が見事なのである。セクキャバ、転売屋、新興宗教、パチンコなどの街のクリーンでない部分に触れたり、かと思えば必ずしも正しくはない人々が街を回していたり誰かの助けになっていたりする。このような変な人々が互いに対して冷淡でも過干渉でもなく適度な距離で関係しあっている街の様子が描かれる。舞台に岐阜というやや微妙な地方都市を選んでいる点も、東京などから受ける特別感をうまく排除して自分たちの社会と地続きの印象を与え、普遍性を感じさせることに一役買っている。
怪異と乙女と神隠し

怪異と乙女と神隠し
見えてはいけない「!」の標識—それは、そこに“怪異”があった証。とある街の書店員で、作家志望の緒川菫子は、今日も同僚の化野蓮と、不毛な無駄話に花を咲かせている。しかし化野には、菫子の知らない秘密があった。人々が噂する怪談、都市伝説、現代怪異の一部は実在する。ある日、書店にいつの間にか増える“逆万引きの本”をきっかけに、二人は街で次々と起こる不可思議な事件に立ち向かっていく。これは現代社会に巣食うミステリーに挑む凸凹コンビの、ささやかな友情と別れの物語。©ぬじま・小学館/「怪異と乙女と神隠し」製作委員会
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『海がきこえる』の望月智充が監督をやっているだけあって映像の地力があまりにも高いにも関わらず、あまり評論されていないのが悔しい。昨今のいわゆる「超作画」でもなければ映画のようなロングショットでもない、テレビ映えするコンテとレイアウトのパワーで勝負している作品なのである。アイレベルの使い分けや強い印象を与えるPAN、ホラー作品をここ一番で引き立てる効果的なダッチアングルなど技巧的な”TVアニメ”の技を使って映像を作っている。オリジナル展開の終盤も往年のアニメ化作品を思わせる良さがある。”劇場版”クオリティを求めて過剰な負担のわりにどこかアンバランスになりがちな昨今のアニメに対する”TVアニメ”の逆襲のような映像に、ただ贅を尽くすだけが正解ではないアニメの奥深さを思い知らされる。
ここ数年、テレビ放送されているアニメをリアルタイムで可能な限り見る・合わないと思ったアニメでもとりあえずは最後まで見る、というマイルールを課してアニメ視聴をしています。配信サイトで視聴していると世間の話題やユーザの嗜好に合わせてレコメンドが行われるため保守的な試聴態度になりがちなのに対して、テレビは人気も好き嫌いも関係なしに一方的に放送してくるのでかえって意外な出会いに溢れているような印象を受けます。今回投票した作品はいずれも話題作に比べるとどうしても認知度やSNSでの話題性で劣り、放送時間帯も必ずしも恵まれてはいないものの、それでもただ深夜にずっとテレビを流しているだけでこのような全く知らない作品に出会うことができます(漫画雑誌を買って目当ての作品を読んだ後、ついでに他の作品も読んでいる時の感覚に似ています)。テレビでアニメを見る醍醐味ってこういうことなんじゃないでしょうか(?)
2025年もお互い良きアニメライフを送りましょう!