hito-horobe.net

「偏見本棚」を作って遊んだら楽しかった話

  • 2021-08-05
  • 2024-07-06
  • 読書
img_「偏見本棚」を作って遊んだら楽しかった話/

「hito_horobeが読んでそうな本」を募集してリストを作ったら楽しかったという話です

導入

インターネットでは読んだ本の感想のシェアーが盛んにおこなわれているほか、読書メーターブクログといった本棚シェアーサービスが人気を集めている。一方で読書歴や本棚をさらすことで思想・関心・性的嗜好などを知られてしまったり、偏見を持たれてしまう危険もある。

そこで今回は逆転の発想で、親しいフォロワーなどから「こんな本を読んでそう」という偏見を集め、「偏見本棚」を作成した。

おれが読んでそうな本をみんなに聞いて本棚を作ってみたいけど、まず搾精病棟が確定していて既に最悪のラインナップが想定されるので厳しい

— 人間が大好き (@hito_horobe) June 28, 2021

提案段階でマジで最悪の遊びと評されてしまった(実際そう)

手法

ツイッターで募集したところ、20人くらいから「偏見」を貰った。

【募集】hito_horobeが読んでそうな本

— 人間が大好き (@hito_horobe) June 28, 2021

「偏見本棚」の一覧

残念ながら(?)『搾精病棟』『淫獄団地』などは挙がらず。

既読
- 伊藤計劃『虐殺器官』
- 伊藤計劃『ハーモニー』
- 伊藤計劃『The Indifference Engine』
- 円城塔『Self-Reference ENGINE』
- 円城塔『文字渦』
- 三方行成『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』
- 飛浩隆『象られた力』
- 伴名練『なめらかな世界と、その敵』
- ミシェル・ウエルベック『素粒子』
- テッド・チャン『息吹』
- グレッグ・イーガン『順列都市』
- ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』
- E. M. シオラン『生誕の災厄』
- 華倫変『高速回線は光うさぎの夢を見るか?』

読みかけ・積読
- 小川一水『天冥の標』
- 矢部崇『〔少女庭国〕』
- 劉慈欣『三体』
- V. S. ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊』
- ながいけん『第三世界の長井』
- 斉木久美子『かげきしょうじょ!』
- 小林キナ『ななしのアステリズム』

未読
- 石黒正数『天国大魔境』
- 上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』
- 神林長平『言壺』
- 施川ユウキ『銀河の死なない子供たちへ』
- 高田里惠子『グロテスクな教養』
- 東山彰良『さよなら的レボリューション』
- 東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』
- 東山彰良『ブラックライダー』
- 平山瑞穂『ラス・マンチャス通信』
- ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』
- リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』
- ジョン・ロンソン『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』
- ブレイク・クラウチ『ダーク・マター』
- S. E. ヒントン『アウトサイダーズ』
- ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』

感想

  • おれの好きそうな本が激レコメンドされる状態になり大変楽しい。
  • SFや海外文学が多く、インテリっぽい真面目なラインナップになった。だが実際の本棚にはエロ漫画や同人誌も結構な割合で入っている。もしかすると自分は日頃から無意識に見栄を張っているのかもしれない。
  • ツイッターでは読んでない本に言及しないことで読んでそうという雰囲気を保つような操作を無意識にやっていたので、はぐらかさず正直に読んでないと言って正直にやっていくためのよい訓練になった
  • 普段からDLsiteや淫獄団地をはじめアダルト作品に結構な頻度で言及しているのだが、誰もエロ漫画を読んでそうとは指摘しなかった。言いづらい?
  • 読んでそうな本ではなく「読んでほしい本」「もし読んでいたら嬉しい本」をすすめてくる人が結構いた。偏見本棚を通じて「こうであってほしい」という他人の願望が垣間見えたのがおもしろい。
  • 人を貶める目的でトンデモ本やニワカ本を挙げられると警戒していたがそんなことはなかった。この「偏見本棚」自体が無から不当な偏見を発生させる危険もあり慎重に実施する必要があるかもしれない。

おわりに

みなさんも偏見本棚をやってみましょう。好きそうな本を教えて貰えるだけでなく、他者が自分をどう見ているのか、真実の自分と外ヅラがどう違うのかなどが分かって大変面白いです。
ご協力いただいた方々、ありがとうございました。

シェアする