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2022年に寄稿した同人誌まとめ

  • 2022-12-30
  • 2024-07-06
  • 告知
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今までろくに文章を書いたことがなかったのに今年は3誌も寄稿することになってしまいました。どうして……

感傷マゾvol.07『仮想感傷と未来特集号』

生まれつきVRが当たり前になった世代にとって、現実や虚構や感傷はどのように変貌するのでしょうか?オフラインの現実と仮想現実の区別が曖昧になり、もはやオフラインの現実も複数ある現実の一つでしかなくなった未来の私たちは、何を懐かしみ、どこへ帰りたいと願うのでしょうか?
 仮に、「私たちが生まれつき家庭用ゲーム機のコントローラーと共にあったように、生まれつきVR機器と共にある未来の世代が仮想現実の中で行う感傷」を「仮想感傷」と呼ぶならば、それはどのような行為や感情をもたらすのでしょうか?
 既に、新型コロナウイルスによって、様々なイベントどころか外出すらままならなくて、「青春」自体が十代の若い人にとって現実ではなくフィクションの中にあるものへと急速に変貌しつつある今、そのような「未来におけるノスタルジー」を単に空しい行為だと断ずるのではなく、様々な観点から可能性を探れないか……というのが本誌のコンセプトです。

「感傷マゾ」にお誘いをいただき、2020年頃からリモートワークをしながら同人音声を聴いて過ごした経験をもとに『マゾ化するセカイと2040年のDLsiteについて』という文章を寄稿しました。リモートワークや音声作品によって実現する、SNSのように選択的で程々に非同期的な都合よい距離の人間関係について、さらには2040年のDLsiteではそれを実現するようなコンテンツが登場するのではないかということを論じています。
長文を寄稿した経験があまりなかったのですが、主催のわくさんの手助けを得てなんとか出すことができました。ありがとうございます。
感傷マゾvol.07『仮想感傷と未来特集号』は400ページ越えの大ボリューム、面白い文章が多数収録されています。是非お買い求めください!

奇想同人音声評論誌 空耳

かつてない活況を呈する同人音声作品シーン。 音声作品の面白さは、目に見えず触ることもできない「音」というメディアの形に深く依拠しているのではないか。 約300ページの「奇想同人音声評論誌 空耳」では、音声作品というメディアでいま、何が試みられているのか。 市場の生態系、音と身体の関係などを論じるほか、実作者による作品制作現場の紹介、さらには、実験的で奇抜な作品のレビューを多数掲載。

オタク仲間で「空耳製作委員会」を立ち上げ、同人音声レビューや評論を執筆しました。
自分にとっては寄稿側ではなく制作側として参加した初めての同人誌です(とはいっても補助的な業務が中心でしたが……)豪華ゲストの方々に寄稿いただき、身に余るほどの立派な本になったなと思っています。
私はDLsiteユーザーとしての経験をもとに、ネットで出したら物議を醸しそうなカネに関する論考を書き、寄稿しました。音声作品レビューもいくつか寄せています。
DLsite公式のDLチャンネル批評誌「エクリヲ Vol. 14」でも取り上げていただくなど、多数の反響をいただきました。ありがたいことです。
紙版電子版がありますのでお好きな方をお求めください!

この同人音声がすごい!

【冬コミ新刊】
『この同人音声がすごい!』という本をC101の「土曜東ペ44a」にて頒布します。音声作品好きの5人が集まって座談会をしたり、作品レビューが100本載っていたり、売上データ解析や音声のファスト消費やドスケベシスターに関する論考を収録しています。#C101 #C101新刊 pic.twitter.com/ZFVRaedwET

— この同人音声がすごい!@C101 土曜東ペ-44a (@konodoujinonsei) December 17, 2022

コミックマーケット101新刊『この同人音声がすごい!』にてまたもや同人音声の評論にお誘いいただき、レビューと論考を寄稿しました。
コンテンツのファスト消費やネタバレを見たがる心理に抵抗する方法のヒントが音声作品にあるのではないか、またアダルト音声は他のアダルトコンテンツと比較してネタバレとは逆のものが好まれる傾向があるのではないか、といったことを論じました。
たまたま仕事の繁忙期や胃潰瘍と重なり、原稿やレビューの作成がギリギリになりメンバーの皆様にはご迷惑をおかけしました……
同人音声というなかなか評論されずにきたコンテンツが議論される流れができつつあり、そのうち2誌に携わることができて嬉しく思います。
メロンブックスで通販もあります。

今後について

実は来年出る同人誌にも既にいくつか寄稿しています。お声がけくださったみなさま、ありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします!

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